なぜ顎関節症は繰り返すのか?

顎関節症発症のメカニズムを理解し適切に対処していくことで症状を軽減させることができます。

顎関節症と診断された人の8割が「筋膜の硬化と血行不良」が原因です。一般的な治療の一つであるマウスピースで改善が見られなかった場合、生活習慣の改善に加えて体操やマッサージが効果的です。

「カックン」「バリバリ」などの関節音は完全に消失させることは難しいですが、音がするだけであれば特に問題はありません。

顎関節の特徴

顎関節は人体に68カ所ある関節のひとつですが、前後・左右・上下に複雑な動きを行う特殊な関節です。
下顎骨は人体で唯一正中をまたぐ一体型の骨で、左右が連動して動くため関節部は互いに影響を与え合う相互関係にあるという点が特徴的です。

また、耳のすぐ近くに存在するため関節音が聞こえやすいという特徴もあります。

顎関節症が引き起こす様々な不快症状

頭痛、肩こり、眼精疲労、ストレス過多、腰痛、生理痛、耳鳴り、めまいなど

原因は、関節円板の位置がずれてしまったために頭蓋骨がゆがんだりして神経や筋を圧迫するためです。

<難聴・耳鳴り・めまい・ふらつき>
顎関節の関節窩の上部にある「内耳神経」が圧迫されるため
*発生学的に耳小骨(キヌタ骨・ツチ骨・アブミ骨)は顎関節の一部です。

<味覚障害・片側だけの眼の乾燥・眼精疲労>
鼓索神経(味覚・涙腺・唾液腺を支配)が圧迫されるため

<肩こり>
食いしばりにより舌骨の位置がずれ、肩甲舌骨筋が引っ張られることによって起こる

<飛蚊症>
蝶形骨の変形によって眼球が後ろから圧迫されることによって起こる。この変形が側頭骨まで至れば頭痛となる。

<甲状腺機能障害>
蝶形骨が変形すれば、その蝶形骨中央部のトルコ鞍に変形が至り、脳下垂体のホルモン分泌異常が起こる。

<顎関節症発生のメカニズム>

歯ぎしり・食いしばりによって大きな力が持続的に加わったことが原因で引き起こされます。この病的な歯ぎしり・食いしばりを誘発するのが精神的や肉体的なストレスです。

<改善策の一例>

「10秒、口を開ける習慣をつけよう!」
先ずは食いしばりを自覚することが大切です。

「前かがみ(パソコンをするときの姿勢)や下向き歩き(スマホ歩き」を止めよう!」
歯ぎしり・食いしばりを誘発する姿勢です。

「片側だけ使う動作を止めよう!」
片側噛み、横向きに寝るなど。

「飲み物(特に清涼飲料水)で流し込むような食べ方を避け、よく噛んで食べよう!」
咀嚼回数が多ければ多いほど咀嚼自体が中枢に働きかけ、腸の蠕動運動を促進して精神の状態も安定します。
咀嚼回数が少ないと満足感や多幸感が得られないため、βエンドルフィンを欲して食いしばりが増えます。
咀嚼回数が少ないと唾液分泌の低下を招き、虫歯の増加や歯周病悪化の要因となります。

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